審査が厳しく柔軟性が低い

先ほど大手ファクタリング会社のメリットとして「手数料が低い」という点を挙げましたが、これはリスクの低い債権のみを買い取っているためであると考えます。
一般的に、大手企業は如何に効率よく・低リスクで利益を出すかどうかを重要視しており、利用の際は厳しい審査を突破せねばなりません。
つまり、大手ファクタリング会社は「入金の蓋然性が認められる債権のみを買い取る代わりに手数料を低く設定している」のです。
当然柔軟な審査は期待できなくなり、信用に不安を抱えている企業・あと一歩で審査を突破できるような状況にある企業は問答無用で切り捨てられてしまいます。

一方で、中小規模のファクタリング会社では「取引先とどのような関係を築いてきたのか」「支払期日が数か月後の売掛金も買い取る」などケースに応じて判断しておりますので、大手に比べて柔軟な審査が期待できます。
手数料重視なら大手、柔軟な審査を希望されるのであれば中小規模のファクタリング会社を選ぶといった形で使い分けると良いでしょう。

反復継続して利用できない

大手ファクタリング会社では、2回目・3回目の利用を断る傾向があります。
ファクタリングは本来得られるはずであった金額を削った上で早期に現金を得る資金調達方法であり、繰り返しの利用は企業の経営状況を悪化させるという考え方が大手ファクタリング会社の間には根付いているようです。

「経営状況が良いときは利用を是とし、ひとたび窮地になれば梯子を外す」
このやり方はバブル時代の銀行によく似ています。
一度きりの利用（銀行融資が下りるまでのつなぎ資金として利用するなど）であれば問題ありませんが、長期的な利用を見込んでいるのであれば大手のファクタリング会社はミスマッチです。

スピード面に難がある

前述した通り、大手ファクタリング会社は入念な審査を実施しています。
加えて、担当者が責任者に決済の許可を取り、責任者はさらに上に許可を得る。

まさにピラミッドのような組織体制となっており、即日入金が難しいという点はもちろんのこと、1週間経っても振り込まれないというケースも珍しくはありません。
また、大手の場合は「エビデンス資料が揃ってから審査スタート」が原則であり、写真を送っての簡易見積り（仮審査）・出張による事前相談・WEB上での書類提出等が期待できません。

近くに事務所があれば数日程度で入金されるかもしれませんが、書類を郵送でやり取りするとなると2週間程度は見込んでおく必要があるでしょう。